ヤマシロヤ 模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
 
ガンプラ製作コラム 1/100MGザク Ver.2.0編 
【第4回 さらにウェザリングしよう!
濃い色のパーツをウェザリングするには?の巻】

Text byオオゴシ*トモエ
 
2008年1月~5月にかけて制作しました、
バンダイ 1/100 MG ザク Ver.2.0の制作コラムです。

コラム第3回では、ガンプラ用のお手軽ツール、
リアルタッチマーカーを使用して、ウェザリングを行いました。


ガンプラ製作コラム第4回は、
前回に引き続きウェザリング(汚し塗装)を行います。


今回ははじめてウェザリングを行う時などに、
迷ってしまうことや疑問をクローズアップ。
製作のヒントをご紹介します。
現在製作しているキットは、
バンダイ 1/100 MG ザク Ver.2.0!


お題キットはこちら!
バンダイ 1/100スケール マスターグレードシリーズ
MS-06JザクII Ver.2.0


ガンプラ関連商品は、 ヤマシロヤ5階ホビー・フィギュアフロアで取り扱い中です!
前回はこんな内容

コラム第3回では、ガンプラ用のお手軽ツール、
リアルタッチマーカーを使用して、
ウェザリングを行いました。


リアルタッチマーカーの基本的な使い方、
効果などをご紹介しました。

コラムはこちら!
 



 
濃い色のパーツのウェザリング

薄い色のパーツは、
どんな感じで汚れるのかをイメージしやすく、
ウェザリング映えもするので、
はじめてウェザリングするときにも、
結構それっぽくできちゃうのです。

しかし、ザクのボディのように、黒っぽいパーツや、
濃い色のパーツの場合、どんな感じで汚れるのか?
どんな色が映えるのかイメージしにくく、
ついついひかえめな、
とりあえずウェザリングになっちゃいません?
実はワタクシ、はじめてザクにウェザリングをした際、
濃い色のパーツをどうウェザリングしてよいかわからず、
明るい色のパーツはバリバリに汚して、
濃い色のパーツはほぼ手付かずという、
ちぐはぐなウェザリングのザクをつくってしまった、
悲しい経験があります。


そんなわけで本コラムで、濃い色のパーツを、
かっこよく汚すための方法を、
クローズアップ
することにしました。


この写真を見ていて、今更ながらコラム第2回の失敗は辛いなぁ~と実感。かなりパーツが白化しちゃってますねぇ……。



 
まずはグレーのパーツでトライ!

まずは、グレーのパーツ、
これくらいの色のパーツに、
クリアインクのリアルタッチマーカーは、
ちゃんと発色するでしょうか?


手のパーツのミゾに、リアルタッチオレンジ1で塗装。
おっ!意外にしっかり色が乗りますね。
 
しっかりめに色を乗せることがポイント。
はみ出した部分をぼかしペンで軽く修整するのみで、
リアルタッチマーカーをスミイレ感覚で使うのもアリ。

そして、濃い色のパーツには、
粉をつかったウェザリングも効果的です。

アニメなどを見ていても、地面に手をついたりと、
結構砂汚れなどがついていそうなイメージ。

でも、マーカーと違って、
粉って扱いにくそう……と思っているアナタ!
いいものがあります。
 
ウェザリングマスター

お手軽かつ、効果的にウェザリングできる、
ウェザリングツールがこちら!
タミヤウェザリングマスターです。

写真のように粉が固めてあり、見た目はアイシャドウのよう。
砂や土の色、オイル汚れやサビなどの色があります。
今回は砂の色をセレクト。

先端がスポンジの、アイシャドウのチップのような
ウェザリングツールが付属していて、
パーツにこすり付けてウェザリングします。
 
粉をこすり付け、砂ぼこりを表現。凹凸を強調します。
グレーのパーツには、リアルタッチマーカーと、
ウェザリングマスターのあわせ技で、
効果的にウェザリングすることができました。

こちらのツールはどちらも水性なので失敗しても
簡単に落とすことができます。


でも、もっと濃い色のパーツには、
リアルタッチマーカーなどの透明のインクでは、
下の色が透けてしまってあまり発色しないなど、
いろいろ難しい点が。どうしましょう~?
 



もっと濃い色のパーツは?

過去の苦い失敗の原因のひとつは、薄い色のパーツも、
濃い色のパーツも、同じツールや同じ色で
ウェザリングしてしまったことにあると、今は思います。


パーツの色によって別のツールを使用したり、
違う方法でウェザリングしたり…と、
割り切っちゃって作業しても良いかと思います。

そんなわけで薄い色のパーツと違う方法でウェザリング。
ドライブラシを行います。
 
ドライブラシとは、塗料を筆に含ませた後、
一度ティッシュなどでふき取って、
わざと筆先をぱさぱさの状態にして、
筆に少量残った塗料を、
パーツにこすり付ける塗装方法です。


エッジ(パーツの角)を浮き立たせて、
立体感を強調させて質感をアップさせます。


姫路城プラモデル製作コラム3回、
姫路城プラモデル製作コラム4回、
でもドライブラシの作業や効果を紹介しています。
 
パーツの色と同色系で、
少し明るめのエナメル塗料を使用。

ドライブラシは溶剤をほとんど使わないので、
パーツが割れたり…などのトラブルはないかと思います。
エナメル塗料以外にも、水性カラーなどでもOK。


上の写真のように、塗料を筆に含ませます。
筆先がパッサパサになるまで、
ティッシュなどにこすりつけて塗料を落とします。
筆が痛むので、使い古しのものなどを使いましょう。
 
筆に塗料が残りすぎていると、
筆の跡がくっきりついてしまって、
きれいに仕上がりません。


ドライブラシ初体験のみなさんが、
疑問に感じるところは、
どれくらい筆の塗料を落としたらよいの?
という部分ではないでしょうか?

オオゴシの場合はなんですが、写真のように、
ティッシュにうっすらつく程度まで、
塗料を落として作業しています。
 
パーツをなでるように、すばやく軽く筆を動かします。
このとき、パーツに色がつくかつかないかくらいが、
良い感じです。


パーツの凹凸がみるみる浮き立ってきて、
効果がわかりやすい作業なので、
はじめてやったときは「おぉ~!」と、
チョット感動しました(笑)

一度やっただけでは、
イマイチ効果がわからない場合は、
何度か重ね塗りをしてみたり、
色を少し明るめにするとよいと思います。
 
←こちらがドライブラシ後のパーツ。

出っ張っている部分や、
パーツの角の部分に塗料が乗っているのが、
お分かりいただけますでしょうか?

砂煙や土ぼこりで白っぽくなった表現や、
黒い部分がこすれて下地が見えたり……
といった感じのイメージ。

前回のコラムでも触れましたが、
ウェザリングの作業では、イメージがとっても大切!
 
どんな場所で使われているのか?
新しいものなのか、結構使われているものなのか?
どんな素材なのか?などを考えつつ、
汚していくとかっこよく仕上がるかと思います。

ドライブラシをした後は、
マーカーや粉などを使って、
ポイントのウェザリングを行います。

黒っぽいパーツにも、リアルタッチマーカーが、
まったく発色しないというわけではないので、
あまり目だないかもしれませんが、
ポイントで使うのもよいかと思います。



 
オマケ的なお話になっちゃいますが、
リアルタッチマーカーのこんな利用法もあるよ~
という方法をご紹介します。

まずはリアルタッチマーカーで
パーツの色味を整える使い方。


今回のじょいほび!製作では、大きな失敗をしてしまい、
エナメル溶剤でパーツの表面にヒビができてしまい、
白化してしまいました。
濃いグリーンのパーツの状態が一番ひどかったのです。
 
まず、白化して白っぽくなったパーツを中心に、
パーツに近い色のリアルタッチマーカー、
まずリアルタッチグリーン1で全体を塗装。

色味がイメージと違う場合は、
リアルタッチグレーなどで色を調整。

その後ぼかしペンで全体にインクをのばし、
白化したパーツの色味をグリーンに整えます。

白化した部分が、もともとのパーツの色に近くなり、
失敗が目立たなくなりました。
その後、キズや汚れを描きこみます。
 
もともとのパーツの色が濃い色なので、
リアルタッチグレー2、
リアルタッチグレー3、
リアルタッチブラウン1
などで、
キズなどを描き込みます。

あとは前回ご紹介した方法で、
ぼかしペンでぼかしたり、
パーツに色をなじませたりすればOK。

濃い色のパーツには、
ちょっとやりすぎかな?というくらい、
マーカーで汚れやキズをしっかり描き込んだほうが、
効果がありました。
 
続いては、ポイント色のススメ。
ウェザリングというと、
グレーやブラウン、オレンジなどを多用しがちですが、
それだけだとやはり単調になりがち。

この色、セットに入っているけど、どこで使うんだろ~?という色も、
パーツの色によっては、有効なさし色になることもあります。


濃い目のグリーンのパーツに、リアルタッチレッド1で、
ちょこちょこ描きこんでみると、
赤の色味が良い感じにマッチ。
色の情報量が増えてより渋みが増しました。
 
ドライブラシ、ウェザリングマスター、
リアルタッチマーカー
でのリカバリーを経て、
このような感じに仕上がりました。

失敗して白っぽくなっていたパーツも、
ほとんど目立たなくなりました!ヨカッタ!

複数の色が合わさって成立しているガンプラは、
それぞれの色を活かしたウェザリングをしたり、
質感表現ができるアイテムだと思います。


やり方、考え方はひとつではないので、
いろいろな方法でウェザリングしたり、
パーツの色によって使うツールを変えたりするのも、
ウェザリングを成功させるカギになるかと思います。
 


次回もウェザリングについてのお話。

ウェザリングでダイナミックな泥汚れを表現したい!
でも、どんな方法があるの?
そんな疑問を解決するためのヒントをご紹介します。

1/100 MGザク Ver.2.0製作編 コラム第5回
さらにウェザリングしよう!
泥汚れを表現しよう!の巻 に続く!
(C)創通・サンライズ


 
 
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