ヤマシロヤ 模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
 
ガンプラ製作コラム 1/100MGザク Ver.2.0編 
【第2回 スミイレ&キズ・ダメージ表現をしよう!の巻】

Text byオオゴシ*トモエ
 
2008年1月~5月にかけてじょいほび!で制作しました、
バンダイ 1/100 MG ザク Ver.2.0の制作コラムです。

ガンプラ製作コラム第2回は、
前回組み立てたザクミゾモールドスミイレを行います。

その後、デザインナイフヤスリなど身近なツールを利用して、
バトルダメージの表現を行います。

順風満帆に作業が進むかと思いきや!
……恐怖の失敗が待っていたのです。その失敗とは?
現在製作しているキットは、
バンダイ 1/100 MG ザク Ver.2.0!


お題キットはこちら!
バンダイ 1/100スケール マスターグレードシリーズ
MS-06JザクII Ver.2.0


ガンプラ関連商品は、 ヤマシロヤ5階ホビー・フィギュアフロアで取り扱い中です!
 




 
シャーペンでスミイレ

スジ彫りやへこんでいる部分に、
その機体の色よりも濃い色で、
影色を描き込んでいく作業
スミ入れといいます。

スミといっても、実際の墨ではなく、
マーカーなどを使って描き込みます。


今回はスミ入れ専用シャーペンを使用します。
以前じょいほび!で使用しました、
ガンダムマーカースミ入れペンの使い方はこちら。
 
GSIクレオスから発売中の、
GUNDAM スミ入れペンSHARPは、
芯が0.3mmと細く、
奥まった部分にもしっかり届くスグレモノです。
あの川口名人も推奨のツールです。

パーツ表面のミゾ・スジなどのモールドに、
シャーペンで線を描き込んでいきます。


はみ出してしまったときは、
消しゴムで簡単に消すことができます。

あまり力を入れすぎると、芯が折れちゃうので注意!
写真ではわかりづらいのですが、
このミゾが深いものなのか?それとも浅いのか?
考えながら作業しつつ、イメージするミゾの深さによって、
影に濃淡をつけてみました。

右の写真の上が上がスミイレ後です。
ちょちょいとスミイレしただけなのに、
メリハリがついた感じ。

本当は別々に分かれている部分も、
プラモデルの都合上、一体成型になっていたり、
影がなくのっぺりした印象になってしまうので、
そこに影を描き込んでいくというのが目的です。




 
ナイフを使ったダメージ表現!

ウェザリング(汚し塗装)で、
使い込まれた機体を表現する際、
戦闘時についた弾痕などのダメージ表現は、
質感を高めるために効果的な方法です。

ザクの素材がサビたり、大胆なキズがついたりするのかどうか、
設定的には微妙なところではありますが、

派手なバトルダメージ、
一度はやってみたかったんですね~。

模型として見たときに味のある作品にするためには、
ちょっとくたびれたザクもアリじゃないかしら?と思い、
キズをつけてみました。

キズをつけるってことは簡単ですが、
でも、やみくもに傷つけると取り返しがつかない……と、
二の足を踏んでしまっているみなさん、
オオゴシも同じでした。ちょっと前まで。

今回ご紹介するポイントなどを参考に、
イメージを固めて、ぜひチャレンジしてみてくださいね。


 
まずはザクの肩部分のシールド(盾)から。
たぶん、一番イメージしやすいのではないかと。

シールド(盾)といえば、
一番大きなキズがつきそうなイメージですよね。

では、弾の当たった痕の表現を行います。

まずは、まっさらな状態のパーツに、
大まかなアタリ(しるし)をつけます。
 
デザインナイフを使って、ぐりぐりっと丸く削ります。

最初は真ん中に点を描くように傷をつけて、
少しずつ広げていくような感じで削ります。

キレイに削るより、
多少削り跡がガタガタだったりするほうが、
リアルに表現できます。

大きさはバランスを見ながらお好みで。
あまり深くしてしまうと、パーツを貫通するので、
注意しましょう。
続いてもナイフを使ったダメージ表現。
MGザクVer2.0は、
とにかく可動範囲が大きいことがポイント!
ザクお決まりのザクマシンガンを構えたポーズも、
かっこよく決まります!

今回はこのようなポージングで仕上げようと思います。

ザクマシンガンかまえていると、
胸の部分にストックが当たってしまってキズがつきそう
ということで、胸のパーツに小さなキズを作ります。
胸のパーツの端っこ、エッジ部分に、
ナイフでちょこっとキズをつけます。
削りすぎないよう、ランダムにキズつけていきます。


電動工具のモーターツールや、
ハンダゴテなどを使えば、
もっと幅広い表現ができるのですが、
今回の裏テーマは、電気を使わないモデリング
エアブラシも使いません♪

そんなわけで、
デザインナイフやヤスリなど身近なツールで、
バトルダメージの表現を行います。




 
続きましては、ヤスリなどを使ったダメージ表現です。

腕の部分、とっさにボディをかばったり、ぶつけたり…と、
何かとキズがつきやすいかなぁ?と思います。
私も何でぶつけたのかよく覚えていないけれど、
謎の青あざができてたりしますもん(笑)


上の加工同様、アートナイフで行ってもよいのですが、
ヤスリピンバイスを使うともっと簡単にできます。
 
まずはヤスリの角を当てるようにゴリゴリ削ります
表面処理などの本来のヤスリの使い方では、
やってはいけないことですよね(笑)


じょいほび!オリジナルツールプラスチックヤスリは、
刃の片側に細い単目鑢(コバ)がついているので、
そこをうまく利用して削りました。

イメージとしては、
サーベルをとっさに腕で受けちゃったみたいな。
たぶん、まともに受けちゃったら、
こんなキズじゃ済まされないと思いますが(>_<)
あくまでも、模型的な味付けとして…ね。
精密加工用ドリル・ピンバイスも利用。

アーム部分のエッジを削るように、
少し表面を荒らす感じでキズをつけます。
パーツを貫通しない程度に気をつけましょう。


今回の作業は2ミリのドリル刃を使いました。

自然なキズをつけるのって意外に難しくて、
ツルッと手が滑ってウッカリついちゃったキズが、
案外よかったりするので、ちょっとガッカリΣ(´□` )
 
太もも部分のこのキズは、
腰部分のアーマーがこすれた感じをイメージしました。

アニメの中でも結構ダイナミックな動きが多いので、
もものいちばん出っ張っている部分を中心に、
結構ガンガン当たっちゃうのでは?と考えました。

ヤスリの角を当てて、軽くスッと押すように削ります。

すんごい当たり前のことですが、
理由のない傷はないので、
なぜそのキズがその形でついたのか?
原因をイメージしながら作業するとよいかと思います。
   
キットを組み立てたときに、
ここはこんな感じでキズがつきそうだな~と、
あれこれ想像して、イメージを固めて作業すると、
このキズ、ちょっとヘン…?とか、
これでいいのかな?っていう疑問は、
かなーり少なくなります。


バトルダメージをつけていく作業って、
何を使うのかが重要ではなくて、
どこにどんな感じのキズがつくのか?を、
しっかりイメージして作業することが重要
なんですね。
 




 
ウォッシング失敗!!!

姫路城製作の際にも行いましたウォッシング

色のトーンを落ち着かせたり、
統一感を出す目的で行うのですが、
今回は無塗装のガンプラにエナメル系の塗料で、
ウォッシングをしたらどうなるか?という
無謀なチャレンジを行いました。


なぜ無謀なチャレンジなのかといいますと……。
エナメル塗料はラッカー系塗料で塗装した後に、
スミイレやウォッシングなどをしても、
ふき取れるという利点があるのですが、
溶剤の浸透性が高いので、
プラスチックを脆くしてしまう
のです。

プラモデルの中でも特にガンプラはスナップフィットで、
テンションをかけてパーツ同士をくっつけているので、
パーツの付加がかかる場所などに小さなヒビができ、
そこにエナメル溶剤が流れ込むと、パーツが割れることが。

以前オオゴシは、完成間近の塗装済みのガンプラのスミイレで、
エナメル塗料を流しすぎてパーツをバキバキに割った苦~い経験があります。


 
今回のような無塗装の状態でウォッシングするなんて、
本当ならとんでもないことなのですが、
もしもパーツが割れなければそれに越したことはないし、
割れちゃったとしても、バトルダメージとして利用できたり、
うまい具合にリカバリーしていい作品にできれば、
結果オーライなのでは?と思い、チャレンジッ!!

模型用のエナメル溶剤ではなく、
さらに揮発性の高い油えのぐ用の溶剤
ぺトロールを使用して溶剤を稀釈。
 
パーツ全体にかなり薄めに稀釈した、
エナメル塗料を塗ります。

内部にまで浸透して、割れちゃうのが怖かったので、
すぐにティッシュなどでふき取ります。
揮発性が高いぺトロールなので、
浸透することをある程度防げるのでは?と、
考えたのですが……

ん??いい感じ?イケるんじゃない?
と思ったその数秒後……

その場にいた見学者の方々は、
みるみる青ざめていくオオゴシの顔を目撃したことでしょう。
細かい部分に残ったエナメル塗料を、
綿棒でふき取っていた時でした。

何?コレ?!Σ(´□` )
白くなってる!!

パーツ表面にびっしりヒビが入ってしまって、
白っぽ~くなって、ツヤが消えちゃった?!
パーツの割れはある程度予期していたのですが、
予想外の展開にビックリ!
 
どうやらパーツの表面全体に溶剤が浸透し、
こまかいヒビ割れができてしまったようです。

キレイにつや消しになってくれれば、
結果オーライだったかもしれないのですが、
色の濃いパーツの白化がムラがあって、
ちょっと……っていう感じだったのです。

腕の部分や足のパーツも一部割れてしまいました。

最悪、バラッバラになっちゃうかも?
って思っていたので、まだマシな状態でしたが、
おススメはできません。まねしないでね。
割れてしまった部分は、
瞬間接着剤を流し込んで補強しました。

やっちまったモンはしょうがない(笑)、
ここをうまーい具合に目立たなく、
かつバトルダメージとして利用しつつ、
カッコイイ作品に仕上げますよ~!!

今回の失敗で、
逆にメラメラ闘志が燃え上がっております!
失敗を失敗にしないモデリング、ガンバリマス!
 


失敗したことであきらめるのではなく、
失敗を失敗にしない方法の提案をしたいと思います!

次回はリアルタッチマーカーを使って、
ウェザリングを行います。
マーカーの使い方、ポイントなどをご紹介します!
1/100 MGザク Ver.2.0製作編 コラム第3回
リアルタッチマーカーでウェザリングしよう!の巻 に続く!
(C)創通・サンライズ

 
 
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