ヤマシロヤ 模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
 
【1/380姫路城 製作コラム 第4回 台座の塗装&石垣の質感表現!の巻】
Text byオオゴシ*トモエ
 
姫路城のプラモデルを製作中です。

前回はお城の基本塗装を行いました。作業の様子はこちら。
エアブラシを使用して、壁はホワイト・屋根はグレーで塗装。

塗装した後は、
屋根の凹凸や壁の質感をより強調させるため、
ドライブラシウォッシングの作業を行いました。


今回は土台部分に手を加えていきます。
今作っているのはこのキット!

童友社1:380 姫路城 を製作中です。

ヤマシロヤ5階ホビー・フィギュアフロアで取り扱い中です!
 
石垣はお城のプラモデルの特徴的な部分!
このアレンジをどのようにするかで、
お城の出来栄えが、
大きく左右されるといっても過言ではありません!

お城のプラモのキモですよ、キモ!!
気合が入りますね〜。

今回は、石垣の質感表現や、
土台の塗装を行います。

まずは塗装前の下準備を行います。
 



地面に穴があいているゾ!


写真はお城の台座のアップ。
見れば地面に穴がいくつもあいています

この穴は、キットに付属している、
松の木のパーツをはめ込むためのもの。

しかし、この穴にしたがって松の木を配置すると、
後々レイアウトが難しくなりそう……。

思い切って埋めてしまうことにしました。
 



穴をふさぐのに利用するのは、
パーツを全部切り取った後のランナー

パテなどを使用する方法もありますが、
なるべくお手軽に作業したいと思います。


作業は簡単。

穴にランナーを差しこみ、
余分な部分をニッパーでカットします。



ランナーと土台の色が違っていても、
この後塗装したり、
ディオラマ用の地面の素材を、
パラパラ〜っとふりかけてしまうので、
全然目立たなくなります。
スチロール系接着剤、または瞬間接着剤で、
土台とランナーを接着します。

流し込み用の接着剤を使うとよりキレイに仕上がります。


念のため、裏面にも接着剤で補強するとなおよしです。


続いては、石垣のデティールアップを行います。



石垣のミゾを彫ろう!


石垣のデティールアップをします。

写真のようにパーツには、
石垣の模様が入っているものの、
溝が浅く、かなりあっさりした感じ。

石が積み重なっている感じを表現するため、
モーターツールをつかって、ミゾを彫ります。

使う道具はモーターツール(リューター)です。

モーターツール(リューター)は、
幅広い工作に使用できる、
ハンドタイプの電動ドリルです。


歯医者さんが歯を削る際につかう
「チュイ〜ン」のアレみたいな道具です。



先端のアタッチメントを取り替えて、
穴を開けたり、削ったり、磨いたりと、
さまざまな作業に使用できます。


アタッチメントは、
ヤスリなどがついている磨き用のもの、
塗料などを混ぜるときに使う攪拌用のものなど、
さまざまな形状のものがあります。


ヤマシロヤ5階のホビー・フィギュアフロアにも、
いろいろ揃っています。

今回は2000円ちょっとで手に入る、
電池式のものを使用します。



スイッチを入れると、先端が回転します。
アタッチメントは、
精密作業用のものを使います。

もともと入っている模様をガイドラインにして、
石と石との間にミゾを彫っていきます。

最初はお城の裏側など、
目立たない部分で練習するのもいいかと思います。
削るパーツをしっかり固定して、
すこーしずつ様子をみながら彫っていきます。



削った粉が結構飛ぶので、目に入らないように、
めがねなどで目をガードしながら作業します。

専門のゴーグルも販売されています。

作業するときは下に新聞紙などを敷いておくと、
後片付けが簡単です。
←途中経過はこんな感じ。


ミゾの深さに差があっても、
ドライブラシをすれば
目立たなくなるので大丈夫!

一度に深い溝を彫るよりは、
バランスを見て何度かに分けて
彫っていくほうが
失敗なく仕上がります。


全部彫るとなると、
結構根気が必要なので、
適度に休憩しつつ作業します。
削った跡がささくれた感じになってしまったら、
紙ヤスリ、またはスチールウール(金属たわし)などで、
削った面をこするときれいになります。

あまり固い金属ブラシでゴシゴシこすると、
石垣にキズがついてしまうので注意です!



削った粉がパーツにたくさんついていると、
状態がわかりにくいので、
歯ブラシや金属ブラシで粉をはらいつつ、
彫りすすめます。

粉を掃除するときは、
ゴミ箱の上などでしましょう。
石垣の模様にそって彫っていけば、
大きな失敗はないかと思います。

多少ずれてしまったりしても、
模様にしちゃったり、
塗装したら目立たないので、
そんなに神経質にならなくても、
大丈夫かと思います。

楽をしようとして、
縦・横に一気に削っちゃうと、
なんだか単調になってしまうので、
面倒でも一つ一つ石のまわりを
削っていったほうがキレイに仕上がります。


お次は地面を塗装していきます〜。



姫路城の資料などをみながら、
石垣や地面の色を決めていきます。

地面や石垣の色は、季節や天候、
太陽の位置などで全然違います。


夕日の姫路城とか、
雪の日の姫路城とかも、
また風情があっていいなぁ〜。

じょいほび!の姫路城は、
緑萌える春〜夏前あたりの季節を意識して、
作業を進めていきたいと思います。

←見学してくださっている方からいただいた資料。
とっても役に立ちました。
 
地面はサンドイエローをベースにした、
明るい色に決めました。

この後、砂をパラパラするので、
石垣部分以外の土台はほぼ隠れてしまうのですが、
一応、下地に塗装しておきます。
地面の部分を中心に台座全体を塗装します。

石垣部分も、地面部分も、
台座下側のサイド部分も、
すべてひとまとめになっている、
かなり大きなパーツなので、
塗料もたくさん使いました。

台座下側のサイド部分は、
重厚感のある黒で塗装します。
石垣は資料写真では、
かなり黄色っぽい色だったのですが、
模型としてみたときに、
明るい色だと締まらないかな?と思い、
グレーにすることにしました。


このあとドライブラシをするので、
ベースの色として、グレーを塗ります。

地面部分に多少はみ出しても、
後々の作業で目立たなくなるだろうなぁーと、
フリーハンドでサクッと塗装。

池の底や岩、階段なども同じグレーで塗っておきます。
 



石垣のドライブラシ

グレーで塗装した石垣のパーツに、
ドライブラシを行います。

ドライブラシとは、塗料を筆に含ませた後、
一度ティッシュなどでふき取って、
わざと筆先をぱさぱさの状態にして、
筆に少量残った塗料を、
パーツにこすり付けるようにして、
塗装する技法のことです。
パーツの凹凸をより強調させたり、
色の情報量を増やしたりするのが目的で行う作業です。

通常、ドライブラシの作業では、
エナメル塗料を使用することが多いのですが、
今回はチョット実験。

ヤマシロヤさんが2007年秋から、
取り扱いを開始した、シタデルカラーを使います。

シタデルカラーはイギリス製の水性塗料で、
ミニチュアゲームの駒、
ホワイトメタルフィギュアの塗装などに使用されています。
 




下地を覆い隠す力(隠ぺい力)が高く、
伸びがよいのが特徴。


他の模型用塗料にくらべて、
お値段が若干高めなのと、
取り扱っているお店が少ないのですが、
水性塗料なので、
お家で有機溶剤を使えない方にとっては、
使いやすい塗料だと思います。

エアブラシで塗装したグレーよりも、
すこし明るめのグレーを中心に数色使用します。



まずは、下地に塗装したグレーよりも、
明るめのグレーを塗って、
凹凸をよりくっきり強調させます。


筆は新品のものだとかなり痛むので、
使い古しのものを使用します。

続いて、色の情報量を増やします。

石垣は、グレーの石、茶色の石など、
さまざまな色の石が組み合わさっています。



一つ一つの石を塗り分ける方法もあるのですが、
細かい塗りわけをすると、
ちょっとクドい印象になりそうだったので、
ざっくりドライブラシで表現することに。
イエロー、ライトグレー、ブラウンなどを、
部分的にランダムに乗せていきます。



先ほど行った、
凹凸を浮き立たせる目的のドライブラシは、
全体的に行ったのですが、
今度は色の情報量を増やすのが目的。

ドライブラシという作業は同じですが、
求める効果や目的が違うので、
意識しながら作業します。
シタデルカラーは、エナメル塗料に比べて、
乾燥するのがすこし早めです。

カピカピに乾いてしまうと、
うまく筆に取れないので、
少量の水を加えて調節します。

ドライブラシというと、
濃い塗料を筆にとると思いがちですが、
適度にサラサラした塗料のほうが、
筆の動かした跡が残らず、きれいに仕上がります。
ライトグレー、イエロー、
そしてさらに明るいグレーなど、
数色を重ねて、石垣のドライブラシは終了。

シタデルカラーを使ったあとの筆は、
水で洗うとキレイになります。


作業時間の目安は、
石垣を削るのにかかった時間は約2時間
台座の塗装、ドライブラシの作業は、
4時間ほどでした。

今回の作業はここまで!




次回はジオラマ用の素材をアレコレ使って、
地面や、植え込みを作り、土台をデコレーションします。

お城のプラモデルの醍醐味ともいえる、
変化の大きな作業です。お楽しみに!

童友社・1/380姫路城 製作コラム 第5回 
土台をデコレーションしよう!の巻 に続く!
協力:童友社


 
 
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