ヤマシロヤ模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
 
【ガレージキット(レジンキット)製作編 第6回フィギュアを塗装しよう!
その2 フィギュアのポイントメイクの巻】

Text by Tomoe*Ogoshi
Cooperation by Satoko Nishida
 
ガレージキット(レジンキット)製作コラム6回目は、
前回に引き続き塗装を行います。

アイシャドウなどのポイントメイク塗装と、
その他のパーツを中心に塗装します。


塗装の方法は人それぞれ。
じょいほび!では、女性らしい塗装方法で、
チョコレート工場長さんのフィギュアを塗っています。


色の確認で、実際のメイク道具も登場します。
段階を経て、どんどん艶やかになっていく
フィギュアの変化をお楽しみください。
 


前回の作業はここまで。


軽音堂・臼井政一郎さん作の『チョコレート工場長』を、
プロのヘアメイクさんの指導を受けながら塗装中です。

前回は主に肌色の塗装を行いました。


詳しい作業内容はこちら→ベースメイク編
肌色の微妙な差や、ツヤを利用し、
立体感を強調しました。


透明感のある仕上がりにするため、
なるべく薄い塗膜にするよう心がけます。


いくつもの工程を経て、
立体感のあるベースメイクが完成。
こちらが前回塗装したフィギュアの顔です。


目の周りに若干ピンクが入っているくらいで、
肌色以外の色がほとんどない状態です。


今回も前回に引き続き、
メイクアップアーティストの西田さんに、
アドバイスをいただきながら
フィギュアをメイクアップしていきます。


塗装する順番はじょいほび!スタッフ玉さんや、
メイクさんと相談した結果、
面積の広い場所から塗装することに。
 



髪の毛の塗装

印象を大きく左右する髪の毛は、
ピンクブラウンに塗装することにしました。

前回の顔のベースメイク塗装、
シェーディングの工程で使った塗料に、
レッドブラウンと、蛍光ピンクを基調とした、
自作のピンクを加えた色を使用
します。

1回目の塗装をしたら、すこし乾燥させます。

2回目の塗装では、
先ほどの塗料にさらにピンクを加えた色を、
髪の毛のパーツの凸部分を中心に塗装
グラデーションをかけます。
 
3回目の塗装では、
ピンクのみを、髪の毛の先端、
髪の毛の流れに沿って塗装
します。
メッシュのような感じです。


ピンクのニュアンスが加わることで、
見る角度によって印象が変わります。

また、顔の塗装に使用した塗料と同じ、
茶色やピンクを、髪の毛の塗料に混ぜることで、
顔の塗装との一体感も生まれます。



アイシャドウの塗装

続いてはポイントメイク
アイシャドウを塗装で表現します。


塗装する前に色を確かめます。
登場したのは実際のメイク道具、アイシャドウ。


先ほど塗装した髪の毛もくっつけて、
色のイメージをつかみやすくしておきます。

 
メイクさん自ら、アイシャドウを
フィギュアの顔に塗っていただきました。

塗る場所や色のぼかし方を見せていただきます。


アイシャドウの粉は、後でふき取ってしまうのですが、
ここはちょっと大胆に。
水で濡らした綿棒などで拭けば、簡単に取り除くことができます。
 
まぶたの際にグレー、
まぶた、目の下に深みのあるピンクを、
それぞれ塗っていただきました。

ぐっと大人の雰囲気に。


アイシャドウを入れるとこんな感じになる、
ということを理解できたところで、
作業に移ります。

この色と同じ塗料を作るところからはじめます。
メイクさんとのやり取りを、
じょいほび!スタッフ玉さんがブースの前から撮影。


メイクさんの手の動きを見逃すまいと、
ワタクシ、非常に真剣な顔をしていますね。

コラムにする時に忘れないように、
そりゃ、もう、必死でした(笑)
 
片方のメイクさんの見本を参考にしながら、
色を塗っていきます。


目の下は、うすーく塗ります。


あまり濃くしすぎると、
タヌキになってしまうので(笑)
あくまでも薄く、ふわっとのせます。
Byメイクさん

アイシャドウの粉をふき取り、
反対側にも同じように塗装します。

左右のバランスを見ながら、
同じ濃さ、面積になるように調整します。


実は私、目の周りの印象があまりにも強すぎて、ヘンじゃないかしら?と感じてしまったのです。メイクさんの「安心してください、出来上がったらなじみますから〜」という言葉に「そ、そうかなぁ?」としぶしぶ納得し作業を進めました。後になって思うと、メイクさんの言ったとおり違和感のない仕上がりに。時には大胆さも大切なんですね。
 




マスキングして塗装

続いては襟(えり)を塗装します。

塗装に入る前に、これから塗装する色が、
肌色部分にはみ出さないように、

マスキングを行います。

首と襟との境目はマスキングテープを細切りにして、
丁寧にマスキングします。

顔などの広い面積には、塗料がかからないように、
幅の太いマスキングテープで覆い隠し、
その上から、紙などを利用して大胆にマスキング。

丁寧に塗った肌色に、色がついたらショックですもんね……

襟の塗装は軽音堂さんの見本と同じく、
深い赤で塗装することにしました。


マルーンを中心に、髪の毛でも使用している、
自作のピンクを少量加え、発色の隠し味に。
この色は帽子のリボンの下塗りにも利用します。


マスキングをしていると、
色のバランスがわかりにくいのですが、
はみ出さないように、色のバランスがいいように、
一発で成功することを願いつつ、
塗装していきます。
しっかり乾燥させたら、
マスキングテープをはがします。

早く塗装結果を知りたくて、
気持ちがとても焦るのですが、ここは慎重に……。


この後、髪の毛のパーツもくっつけて、
全体の色の確認を行いました。


作業が進めば進むほど、
マスキングが必要だったりで、
色が失敗した時のダメージが大きくなるので、
一つ一つの工程で確認作業をちゃんと行います。

時間はかかりますが、納得いく仕上がりの為には、
大切なことですよね。



帽子のリボンの塗装

一番面積が広いであろう、帽子部分の塗装を行います。

最初はリボンの塗装から。


先ほど同様、顔部分をマスキングします。
帽子と顔の際部分はガタガタしないように丁寧に、
特に顔や首に塗料がつかないように、
しっかりマスキングします。


面積が広いと、マスキングテープの境目などから、
塗料が入ってしまうことがあります。
テープが浮かないように、注意しましょう。
先ほど襟の塗装で使用した塗料を、
リボン部分にも塗装します。


じょいほび!で製作したキットは、
初販のキットなので、
帽子と顔が一体化になっているのですが、
再販キットでは分割されていて、
塗装しやすくなっています。


マスキングの手間が省けて、
更にユーザーフレンドリーなつくりに。
マスキングテープだけでは不安だったので、
顔を覆い隠すように紙で保護してあります。

こまめに乾燥させながら塗装します。

大きなチョコさんの顔のパーツを、
最初は手で持って乾燥させていたのですが、
その間作業ができないので、効率が悪い悪い(笑)

で、作業を重ねるごとに、よい乾燥台を見つけました。
クラフトテープと、両面テープを重ねてたもので、
支えて乾燥させます。

乾燥させている間に、他のパーツを塗っていきます。
 



カエル?猫?はコバルトブルーに塗装

黒い斑点をエアブラシで描きました

めがねのパーツはマジョーラカラーで塗りました

テープとマスキングゾルでマスキングします

ウサギ耳はほんのりピンクを入れて生っぽく塗装

手袋もホワイトで塗装します
 
今回のチョコレート工場長さんの塗装では、
顔の塗装をメインでお見せしたかったので、
その他の塗装がかなりダイジェスト版ですが、
このような感じの色味で塗装しました。


それぞれのパーツに色を塗って、
よ〜く乾燥させたら、
組み立てて色の確認を行います。

あ、髪の毛つけるの忘れてた……


この段階で「ん?色がちょっと違うな…?」と
思うようなことがあれば、修正します。
 


先ほど乾燥させておいたリボン部分に、
マスキングを行います。

マスキングテープで覆い、
はみ出した部分をナイフでカットします。


マスキングテープは意外に粘着力が強く、
テープをはがした時に、下に塗った塗料も一緒に
剥がれてしまった!なんて失敗をすることがあります。

そういった悲しい事故を防ぐため、
一度カッターマットなどに貼り付けて、
あえて粘着力を弱めてからマスキング
します。
 
マスキングした状態。

さて、これから帽子を塗装します。

最後にマスキングテープの端を、
もう一度しっかり押さえて密着させます。


かなり印象が変化する部分なので、
楽しみでもあり、ドキドキでもあります。
 


軽音堂さんの見本では、
ピンクで塗装されています。

じょいほび!ではメイクさんと相談した結果、
Mr.カラー2 黒を塗装することにしました。

かなりアダルティ〜!!


大人っぽさの中にも、
キュートさをちゃんと残した、
アルマーニっぽいイメージを意識しました。
Byメイクさん
 
ムラにならないよう、
帽子の裏側も念入りに塗装。


しっかり乾燥させ、いよいよマスキングをはがします。
ひぇ〜超ドキドキする!!

メイクさんも、じょいほび!スタッフ玉さんも、
そして見学者のみなさんも、注目の瞬間です。

ぺりぺりぺり………
「おおお〜!!」という声がブース内外に起こりました(笑)

暗い印象になっちゃうのでは?と心配していたのですが、
その他の色がほわんとした淡い色なので、
帽子を黒にすることにより、
引き締まった感じになりました。

今回はここまで!次回は目などの塗装を行います。
 




顔以外の塗装がほぼ出来上がりました。

一人で作業していると、迷ったり悩んだりして、
手が止まってしまうことが多いのですが、
メイクさんの心強いアドバイスで、
思い切って塗装することができました。

次回は目の塗装やツヤの調整などを行います。
ついに完成のチョコレート工場長さん、
どんな作品になっているのか?お楽しみに!

ガレージキット(レジンキット)製作編
第7回 フィギュアの塗装をしよう!その3 に続く!

協力/西田聡子

(C)西E田・コアマガジン
 
 


 
 
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