ヤマシロヤ 模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
 
コレクションフィギュア デコレーションコラム 恐竜骨格編 最終回
 【第5回 恐竜骨格フィギュアをディスプレイしよう!の巻】

Text byオオゴシ*トモエ
 
2009年1月~3月にかけて製作しました、
童友社の組み立て式コレクション模型
『巨大恐竜&マンモスコレクション』

リペイント&ディスプレイ作品の制作過程や、
作業の流れ、ポイントなどをご紹介します。

大人の部屋に飾れる渋い作品に仕上げるため、
奮闘中の恐竜フィギュア。

コラム第5回は、童友社さんの恐竜ミュージアムのフィギュアを使って、
前回までとは違うアプローチで作品を作ります。
前回はこれを作りました。

前回は恐竜を飾るベースを制作しました。

木製のベースに水性のニスを塗って、
作品プレートをプラス。
数百円のフィギュアがこの仕上がりに!

作業の様子はコチラ。



大人の部屋に飾れる作品 その2

木製ベースを使った作品以外にも、
こんな作品を作ってみました。

額の中に恐竜を埋め込んでディスプレイ。

実は国立科学博物館の恐竜展示で、
半分岩に埋まった化石が展示されていまして、
そこからヒントをいただいて、制作してみることに。

それではさっそく作り方をご紹介しましょう。
使用するのは恐竜ミュージアム

使用するのは童友社さんの、
恐竜ミュージアム
のフィギュア。

『巨大恐竜&マンモスコレクション』と同じく、
組み立て式の恐竜フィギュアです。
茶色っぽい色が塗装されています。
まずは下塗り

今回使用するのは、魚竜のイクチオサウルス
イルカに似ている恐竜です。
形を活かしたティスプレイを行います。


まずは缶スプレーで茶色を塗装しておきます。
塗装済みフィギュアなので、
そのままでもいい色なんですが、
今回はドライブラシ仕上げをしたいので、
全体をより暗めの色にしておきます。
そしてドライブラシ

エナメル塗料を使って、ドライブラシを行います。
今回はこちらの3色を重ねて、
骨の凹凸を強調したり、質感表現を行います。

ドライブラシは恐竜コラム第3回でも行いました。

ドライブラシのやり方やポイントは、
こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
ドライブラシとは、塗料を筆に含ませた後、
ティッシュなどでふき取って、
わざと筆先をぱさぱさの状態にして、
筆に少量残った塗料を、
パーツにこすり付ける塗装方法です。


エッジ(パーツの角)を浮き立たせて、
立体感を強調させて質感をアップさせます。
筆についた塗料を、
ティッシュでふき取り、パーツにこすりつけます。
ティッシュにつくかつかないかくらいまで、
塗料をぬぐってしまうのがポイント。

塗料が残りすぎていると、
べったり塗料がついてしまうので注意。

パーツにパタパタとこすりつけるように、
筆を動かして塗装すると、
凹凸が浮きたって、
立体感がより強調されます。
クローズアップするとこんな感じ。
でっぱっている部分だけに塗料が乗って、
立体感が強調されます。


額に埋め込むので、片側だけ塗装しました。
こちらのフィギュアは、
パーツが真ん中で分割されているので、
半分だけ使うのも楽でした。

恐竜が塗装できたら、額縁の制作をしましょう。
 



コルクボードを加工!

恐竜を飾る額縁をつくりましょう。

材料は100円ショップにあるものがメイン。
コルクボードと、紙粘度、
袋に入っているのは砂です。

砂はお城の制作で使ったものです。
懐かしいですね。
 
そのままだと、木の色が少し明るかったので、
水性のニスを塗ります。
今回はコルクボードの裏側を使いました。

塗り方はコラム第4回でご紹介しています。
2回ほど塗り重ねました。

数十分ほど乾燥させます。
その間に粘土を用意しましょう。
 
紙粘土に色をつけましょう。

水性のえのぐなどでもよいですし、
アクリル塗料や水性ホビーカラーをつかっても大丈夫。
今回は水性のシタデルカラーを使いました。

そのままだとうまく混ざらないので、
塗料にほんの少し水を加えて、
紙粘土に練り込みます。


砂も少し混ぜて、ざらざら感を演出してみました。
塗料が均一に混ざるように、ひたすら練ります。
 
額に塗ったニスが乾いたら、
フィギュアの位置を決めましょう。

イクチオサウルス(半身)を額の中に配置し、
粘土で動かないように仮止めしつつ、
位置や角度を調整します。

お好みで粘土の色を変えたり、
いくつか恐竜を配置したり、
他のアイテムをプラスしてもよいかもしれません。
 
粘土だけだとうまく定着しないので、
木工用ボンドを塗り広げます。


厚紙やへらなどを使って、
全体に薄く伸ばしておくとよいでしょう。

フィギュアを置いてまわりを粘土で埋めます。
 
全体に粘土を広げたら、ちょこっとアレンジ。

発掘現場っぽいイメージで、
足跡や凹凸をわざとつけてみました。

粘土は乾燥すると縮むので、
端までしっかり伸ばしておきます。


粘土が固まるまでじっくり待ちましょう。
続きは次回の公開作業に。



はいっ、あっという間に2週間~。
粘土もしっかり固まりました。

今回はひび割れなどもなくきれいに仕上がりました。

紙粘土はすこし残しておいて、
乾燥後にひび割れた時の修正に使うと、
よりよい仕上がりに。


粘土にもドライブラシを行い凹凸を強調させます。
水性のタミヤのアクリル塗料を使用します。
仕上げに作品プレートを取り付けます。
こちらは前回ご紹介した簡単プレート。
コラム第4回はこちら。


プレートは0.3ミリのプラ板。
台所用のアルミシールを貼り、
その上に透明フィルムを貼りつけました。


木の枠にドリルで穴をあけ、
プレートを固定していきます。
仕上がりはこんな感じ。
プレートには恐竜の名前をプリントしました。

前回は塗装してゴールドのプレートを作ったのですが、
シルバーのプレートはアルミシールなど、
市販のものを利用して作ることができます。

……ちょっと、取り付け位置が曲がっちゃいました。
1メートル離れて見たら大丈夫!(笑)
作った作品を並べて展示。

今回は書斎に飾れる渋い作品、
お子様と一緒に作れる作品を目指しました。
恐竜をモチーフにした作品は、はじめてでしたが、
とても楽しく制作できました。

そしてなんと!恐竜の研究家の方々から、
メールなどをいただいて、
すてきな交流もあったのですよ~。


さて、恐竜の制作の最終日には、
ヤマシロヤさんの7階、
イベントスペースを利用して、
こんな試みを行いました。

6階の作業ブースを飛び出して、
ガラスのない場所で制作。
みなさんとお話ししながらの制作は、
とても楽しい時間となりました。

そして同時に、
「みんなでプラモつくろう会」を行いました。
私が制作している向かい側では、
参加してくださったみなさんが、
思い思いのプラモデルを持ち寄って制作。

同じ趣味を持つ仲間と一緒に、
情報交換しながらの模型制作は、
参加してくださったみなさんの
モチベーションアップに貢献できたようです。

たくさんの経験と思い出を与えてくれた
じょいほび!ですが、このコラムを最後に、
みなさんとお別れすることになりました。
終わってしまうのはとてもさみしいですが、
じょいほび!で制作した作品や、たくさんの思い出は、
かけがえのない宝物です。

玉さんをはじめ、ヤマシロヤスタッフのみなさん、
本当にお世話になりました。

そして、これまでコラムを読んでださったみなさま、
じょいほび!作業公開にいらしてくださったみなさま、
本当にありがとうございました。

4年半、本当にありがとうございました!
またどこかでお会いしましょう。
協力:童友社


 
 
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