ヤマシロヤ模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
【第5回 パーツを接着しよう!の巻】
TEXT BY オオゴシ*トモエ
 
第4回 どんな作品にしようかな?
目標を決めよう!の巻
で、
ウィングガンダムを製作するにあたっての、
目標を決めました。

今回はパーツの接着を行います。

ガンプラを組み立てるだけならば、
基本的に接着剤は必要ないのですが、
この作品では、よりなめらかな表面を作りたいので、
パーツとパーツの境目を消す作業、
『継ぎ目消し』を行います。

そのために継ぎ目消しを行う数箇所を、
模型用の接着剤で接着していきます。
 
まずは接着の準備を行います。

組み立てたキットを、バラバラにします。
作業計画を立てるとき、あらかじめ接着箇所も決めておくとよりスムーズです。


せっかく組み立てたのに、もったいない…と、
思う気持ちもわかりますが、
これから接着表面処理を行うので、
あらかじめ細かいパーツに分割しておきます。






パーツをさらにバラバラに

まずは、手でパーツを引っ張って、
パーツとパーツの間に、少し隙間を作ってあげます。

あまり力を入れすぎると、
パーツが割れてしまったり、
ダボが折れてしまうので注意しましょう。


隙間に、マイナスドライバーまたは、
デザインナイフの刃を差し込んで、左右にぐりぐりと回し、隙間をさらに広げていきます。

デザインナイフの刃先で、パーツを傷つけてしまいそうな時は、左の写真のように刃を逆にして使います。


パーツに傷をつけないように
様子を見ながら隙間を広げていくのがコツです。


マラサイ製作記事の中でも、パーツのばらし方、コツなどをご紹介しています。
 

パーツの管理をしっかりしよう!


ここで便利アイテム登場!!
100円ショップなどで売っている、透明パックです。
バラバラにしたパーツを、紛失しないように、タッパーや、プラスチックケースなど、管理用の入れ物をつくって管理しましょう。
以前はよくパーツを紛失していたのですが、
(だめじゃん!)コレを使うようになって、
かなり改善されました。

パーツの色ごとに入れ物を分けて管理すると、塗装の際にも便利です。

じょいほび!の撮影で、パーツから長時間目を離したり、持ち運ぶことも多いので、
オオゴシはこの入れ物を、さらに大きめのタッパーに入れて保管しています。
念には念を入れて…ね。
 
パーツを適度にバラバラにしたら、
次は接着をします。


接着用接着剤は、ヤマシロヤ6階、
塗料コーナー横に置いてあります。


いろいろなメーカーから商品が出ていますので、
迷ったらお店のスタッフさんに聞いてくださいね。

これからそれぞれ接着剤の特性、
使い方などをご説明します。
 
模型用接着剤あれこれ

接着剤というと、いろいろなものがありますが、
模型製作ではプラスチックを溶かして接着するタイプの、
スチロール系接着剤を使用します。

スチロール系接着剤だと、溶剤が揮発するまで時間がかかるので、
時間の短縮のために、瞬間接着剤を使用する場合もあります。

瞬間接着剤は作業の待ち時間も少なく、
利点もあるのですが、硬化した際に、
プラとの硬さの度合いが違うので、削る時にコツが必要だったり、
衝撃にもろいということもあり、ここではスチロール系接着剤を使用します。

付属のハケでパーツに塗って接着する、貼り合せ用の接着剤
Mr.セメントDX
(黄色いフタ)、タミヤセメント(白いフタ)、
付属のハケでパーツの隙間に流し込んで使用する、
流し込み用
接着剤、Mr.セメント流し込みタイプ(青いフタ)、
タミヤセメント流し込みタイプ
(みどりのフタ)などがあります。
 


タミヤ
タミヤセメント
200円(税込)


タミヤ
 タミヤセメント
流し込みタイプ
300円(税込)


GSIクレオス
Mr.セメントDX
189円(税込)

GSIクレオス
Mr.セメント
流し込みタイプ
262円(税込)

タミヤセメントは、小さいサイズの貼り合せ用接着剤も販売されています。
使用頻度にあわせて選ぶことができます。
★マメ知識★

貼り合せ用の接着剤は、だんだん溶剤成分が蒸発してきて、ドロドロになってしまうことも!そんな時は流し込み用の接着剤を加えて、濃度を調節しましょう。
 
リモネン系接着剤


近年開発された、新しいタイプの流し込み用の接着材です。


オレンジの皮から抽出した天然素材
「D-リモネン」を主成分としたスチロール樹脂用の接着剤です。

使い方は、上記のスチロール系接着剤流し込み用と同じです。


天然素材なので人体に無害ですし、柑橘系(オレンジ)の香りで、
有機溶剤のにおいが苦手という方にも、
抵抗なくお使いいただけると思います。


リモネン系接着剤の使用感

使い方は上の接着剤とほぼ同じです。
使用感はプラスチックの溶解速度が少し遅いです。

接着剤を塗って、パーツを貼りあわせるまでに、
少し時間をおいたほうが良いと思います。

安全性や作業環境のことをを考えると、
長時間の作業でもストレスを感じることなく
使用することができます。
じょいほび!作業ブースは、かなり密閉された空間なので、
リモネン系接着剤は手放せなくなりそうです。



模型製作のストレスを軽くするため、家族のため、
何より健康のため、じょいほび!的にはオススメです。

オオゴシは、高校生の頃ガンプラ接着中に、
父に「コラァ!シンナー吸うとるのは誰じゃァァ!(広島弁)」と、
部屋に怒鳴り込まれたことがあります。結構なトラウマになりました…

GSIクレオス
Mr.セメント・リモネン系
流し込みタイプ
294円(税込)

トライスター
 オレンジセメント
294円(税込)

ガイアノーツ
りもちゃん
550円(税込)



貼り合せ用接着剤の使い方


貼り合せ用の接着剤は、樹脂を含んでいるので、適度な粘度があります。

しっかり継ぎ目を消したい場合は、
貼り合せ接着剤を使います。

パーツを左右に分割して、パーツの両面に付属のハケで、接着剤をしっかり塗ります。
 
 
パーツに塗ったら、すぐに貼り合せるのではなく、
プラをしっかり溶かすため、30秒くらい時間をおきます。
このとき接着剤が乾いてしまうようなら、もう一度塗ります。

接着剤が少なすぎると、継ぎ目がきれいに消えません。
はみ出さない程度にたっぷり塗りましょう。


パーツのハメ間違いはないか?
ポリキャップはつぶれたり、ずれたりしていないか
確認しながら、パーツを貼り合せ、
両側からしっかりはさみます。


 

このとき、接着面から、『ムニュ』と、
接着剤とパーツが溶けたものが出てくれば成功です。
この『ムニュ』が継ぎ目が消えている証拠なのです!

いい『ムニュ』が出ると、うれしくなります。オオゴシ、最初にガンプラをつくったとき、「はみ出さない方がキレイ」と、接着剤を努めて少なめに塗って、接着の意味を成さなかったことがあります。結局パテのお世話に…
そんなことにならないよう、接着は正しくしましょうね。



 




流し込み用接着剤の使い方

流し込み用の接着剤は、サラサラしているので、パーツとパーツの間に少し隙間をあけ、その隙間に接着剤を流し込んで接着します。


貼り合せだと隙間ができてしまいそうなポリキャップがたくさん入っているパーツ、パーツを挟み込んだ形状のパーツ、モールドが複雑で、貼り合せだとモールドを消してしまいそうな箇所
には、流し込み接着剤を使用します。


デザインナイフの刃を利用し、
パーツに隙間を作ります。
隙間は横の写真くらいでOKです。



何度も言うようですが、ナイフの刃先で、
パーツを傷つけないように注意しましょう!


隙間に接着剤を流し込んでいきます。


接着剤を含ませたハケを、
パーツの隙間に軽く当てると、
毛細管現象によって、
スーッとパーツに接着剤が流れていきます。


あまり大量につけすぎると、
接着剤がパーツ全体に回ってしまい、
パーツの表面も溶かしてしまいます。
指紋がついてしまったり、
パーツがザラザラになったリします。

 

接着剤を流し込んだら、貼り合せの時と同様、
少し待って、両側からしっかりはさみます。


このとき、貼り合せ接着剤よりは少なめですが、、
パーツの間から、『ムニュ』が出ます。

一度接着してしまうと、分解するのは至難の業…というか、頑丈にくっついてはずれません。
パーツ請求した方がはやいんじゃ…?
という結果になります。

パーツをはさみ忘れた、
パーツに隙間があいたまま乾燥させてしまった、
なんてことがないように気をつけましょう。



 
接着したパーツです。

パーツの両側からしっかり圧力を加えた状態で2、3日放置します。圧力を加えないと、せっかくの『ムニュ』がへこんでしまい、継ぎ目が消えないことがあります。

パーツをずーっと手で持って乾燥させることは不可能なので、道具を使います。


パーツをはさんで固定しよう!

またまた便利アイテム登場!!
100円ショップで手に入る道具その2、クリップです。
はさむものならなんでもよいので、洗濯バサミとか、他の形状のクリップでもOKです。

クリップなどでパーツをはさみ、しっかり固定しましょう。

パーツの大きさに合わせて、ちいさいものから大きなものまで、サイズをいくつか用意しておくと、重宝します。
季節にもよりますが、急いでいる時でも、
最低3日、4日は乾燥させましょう。


接着をする際はもちろん、乾燥中も溶剤は揮発しているので、窓を開けて換気をするように心がけましょう。

それから、うそーん!と思うような失敗例ですが、接着剤ぼビンを倒して、中身ををこぼすことがあります。ホント、ホントにあるんだってば。

下にカッティングマットなどを敷いて、
作業するようにしましょう。


接着の作業はまだまだ続きます。
次回の作業日まで、たっぷり2週間、
クリップでパーツをはさんで、乾燥させます。


次の回では、接着する際に出てくる、
後はめ加工や、スジ彫りなどの問題を解決していきます。

そして、次のステップ、ペーパーがけの準備も行います。


【じょいほび!第6回】
後はめ加工をしよう!巻 に続く!


(C)創通エージェンシー・サンライズ  (C)GSIクレオス
 
 


 
 
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