ヤマシロヤ 模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
 
【1/380姫路城 製作コラム 第6回 木・池を作ろう!の巻】
Text byオオゴシ*トモエ
 
このコラムでは、
お城のプラモデルの作り方をご紹介しています。

前回のコラムではジオラマ(ディオラマ)用素材をつかって、
地面の表現や緑を配置して植え込みを作りました。



今回は引き続きお城の飾り付けを行います。

お城にはえている松の木の作り方や、
池の水の表現方法
を中心にご紹介します。
どんな素材を使って表現するのか?乞うご期待!
今作っているのはこのキット!

童友社1:380 姫路城 を製作中です。

ヤマシロヤ5階ホビー・フィギュアフロアで取り扱い中です!
 




前回はジオラマ(ディオラマ)用素材
カラーパウダーカラースポンジを使用して、
お城のまわりを飾り付けました。

今回は左の写真のように、
お城の庭を飾る松の木を作ります。

日本のお城といえば立派な松の木が植えてあるイメージですよね。
実は松の木って葉や皮を食べることができるらしく、
戦の際に兵糧攻めにあったときや、
いざというときのために植えてあったらしいのです。ビックリ。
姫路城のプラモデルには
木のパーツが付属しています。
早速パーツを確認してみると……

う、うーん……。

プラスチックのパーツをそのまま使うと、
前回配置したカラースポンジの植え込みと、
素材の感じが変わっちゃいそう。


悩んだ結果、キットのパーツは使わず、
他の表現方法で松の木を作ることにしました。
 

トミーテック 情景コレクションシリーズ
ザ・樹木 003 くろまつ 483円 (税込)
使うのはコレ!

ヤマシロヤスタッフの玉さんに相談したところ、
いいものを発見してくださいました!

トミーテックから発売されている、
ジオコレ・情景コレクションです。

Nゲージ(鉄道模型)用の素材で、
木のほかに建物や人など、
さまざまなアイテムがあります。


このザ・樹木シリーズは、
幹部分と葉の部分がセットになっていて、
組み立てるタイプの素材です。


松のほか、桜の木や竹、杉など、
さまざまな木が発売されています。

今回は「くろまつ」を使います。



キットに付属しているパーツと比較してみると……
かなりデカイ!

ジオコレは1/150スケール、
姫路城は1/380スケールと、
倍以上も大きさが違うので、
当たり前ちゃぁ当たり前なんですが……
さて、どうしよう?


スケールは1/150なので、ガンプラ1/144とあわせると
ちょうどよい大きさといった感じ。つい、ガンプラ基準です。
一本の木として見ると大きいのですが、
枝を木に見立てると、大きさがちょうどよい感じ。

デザインナイフを使って、
枝を根元からプチン!とカットしちゃいます。

ちょっとした木こり気分です(笑)


このくろまつのキット、
木が3本入っているのですが、
枝をカットすると結構な本数に。
 
姫路城に付属している木のパーツの幹をみながら、
大きさを同じくらいにそろえてカットします。


焚き木用の枝を集めてきたって感じですねぇ。
キャンプファイヤーがはじまりそうな勢いです。

お次は松の木の葉っぱをくっつけていきます。




さきほどカットした「くろまつ」の幹に、
緑の葉っぱを貼り付けていきます。

とはいえ、松の木なんて作ったことないし!
松の木の作り方の説明書もないし!どうしたらいいのさ〜。

そんなときはホンモノを見るのが一番!
ということで、公園で松を観察してきました。
 
お城に行けたらなおよかったのですが、
公園、お寺や神社などの松の木でも、
十分参考になると思います。

松の木を観察した結果、個体差はあるものの、
幹がまっすぐ伸びているよりも、
曲がっているほうが松の木っぽいなぁと感じました。

必死の形相で松の木の写真を撮るオオゴシ。
異様な光景です。
 
では松の木作りの作業スタート!

はじめに幹や枝部を曲げます

幹はうねうねさせて、
枝は四方に広げて立体感を出します。

ちょうど使用した「くろまつ」の幹は、
角度がつけやすい素材だったので、
とっても作用が楽でした。
 
続いて葉をくっつけます

前回行った、お城の植え込み部分を作る作業で使用した、
カラースポンジの渋い色を使用します。

「くろまつ」のキットにも、
スポンジが付属しているのですが、
(下の写真にちらっと写ってます)
色が若干鮮やかすぎる感じがしたので、
別の部分に使いたいと思います。
カラースポンジの接着に使うのは、
木工用ボンドです。

細かい作業をする際には、ボンド本体から直接塗るより、
少量ずつつけたほうがきれいに仕上がります。

写真のように、クラフトテープのつるつるした面の上に、
木工用ボンドを出します。
 
先のとがったツマヨウジなどを使用して、
ボンドをつけます。

ピンぼけちゃっていますが、
写真手前の手に持っているのは、
文房具のクリップです。

松の木の幹をはさんで、
もち手として使用しています。
幹の細い部分を持つよりも安定感があります。
木工用ボンドを塗ったところに、
ピンセットでスポンジを貼り付けていきます。

枝の上側に意識してくっつけると、
松の木っぽくなります。


いい枝ぶりの松の木を作ります。

実際の姫路城にも、庭師さんとかいて、
ちゃんとキレイに剪定されていたんだろうなぁ〜と、
アレコレ思いをめぐらせつつ作業しました。
木工用ボンドは乾燥にすこし時間がかかります。
お手製の塗装用の乾燥台で乾かします

他のコラムでもちょくちょく登場しているこの乾燥台、
割り箸にクリップを取り付けたもち手を、
100円ショップのブックスタンドを横にて並べただけ。

簡単に作れるしコストも安いので、あると便利です。
幹に緑のスポンジを貼っていく作業を繰り返して……
松の木が完成〜!

地道な作業でした。


もちろん、お城の中には松の木だけではないので、
お好みでいろいろな木を作ってみるのもいいかも。



お次はお城の池を作ります。

ジオラマなどの水表現によく使われる素材がこちら。
通称「水の素」です。

ゼリー状や粒状のものがあり、
熱を加えて溶かしたものを、
ベースに流し込み、固めて水の表現をします。
 



ヤマト グラスデコ
(左)クリスマスカラーセット1,029円(税込)
(右)単品 コバルトブルー22ml 262円(税込)
ジオラマ用の水の素を使おうと思っていたら、
じょいほび!ブースは火気使用禁止なんですよね。
どうしよう?

頼れるスタッフ、ヤマシロヤ玉さんが
またまた「これ、使えませんか?」と、
なにやらアイテムを持ってきました。

ん?んん?
ガラスに貼るシール???

文房具メーカーヤマトグラスデコという商品で、
ガラスなどに貼ってはがせる絵が描ける、
特殊なえのぐなんですって。

カラーバリエーションも豊富で、
乾燥すると透明になるので、
お城のプラモデルの池に使ってみることに。


今回のように少量の使用の場合は、
単品でも購入できるので、かなり経済的。

これはいい素材を見つけたぞ!玉さん、お手柄!!
それではさっそく作業スタート!

グラスデコを流し込んでいきます。

ボトルにノズルがついているので、
池のカーブしている場所にも流しやすいです。


問題はきれいに固まってくれるか?ですよね。

オオゴシも、玉さんもはじめてのことなので、
ドキドキしながら待ちます。

いい結果がでるといいな〜。
実はこの池、実際の姫路城には存在しない池なんです。

ホンモノと違うなら埋めようかとも考えたのですが、
模型的に見てブルーの色味が入ったほうが、
彩りがより豊かになると判断して作ることにしました。



流し込んだ直後は不透明だったのですが、
乾燥とともに少しずつ透明になってきました。
一時間もすると、
このようなクリアブルーに。
大成功なんじゃない?

心配していた硬化後の縮みなどもなく、
手軽でコストパフォーマンスもよいので、
いいもの発見です!
玉さんのお手柄ですが……

じょいほび!では作業の中盤で池を作ったのですが、
できれば最後にしたほうがいいみたい。

作業している間に粉などが入っちゃったりして、
面倒な思いをしました(>_<)


今回ご紹介した木の素材や、
池の水を表現するのに使ったグラスデコは、
ヤマシロヤ6階ホビーフロアで購入することができます。

ここ数回、ベースのデコレーションを行いましたが、
次回は再びお城部分の製作を行います。

塗装やドライブラシを施したお城のパーツを、
接着剤を使って組み上げていきます。

童友社・1/380姫路城 製作コラム 第7回 
ベースにお城を組み上げよう!の巻 に続く!
協力:童友社


 
 
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